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日本の通勤事情
まずは、日本の通勤事情を詳しく見ていきましょう。通勤時間が長ければ、その分大きなストレスを感じる事になります。
日本は通勤時間が長い
総務省統計局が実施している社会生活基本調査によれば、日本の通勤時間の平均は片道39.5分です。これは世界的にも非常に長く、勤務地と住宅地が離れている事が原因です。勤務地が都市部の場合、それに応じて家賃も高くなるので、住宅地は郊外を選ばざるを得ません。その結果通勤時間が長くなり、欧米諸国と比べると1.5~2倍もあります。ただし、これは全国の平均なので、地方在住で勤務地が近い人も含まれています。例えば、都道府県別で最も通勤時間が短いのは、宮崎県の26分です。これは、地方在住だと車通勤が多くなるため、通勤時間が短縮されやすくなる事も関係しています。
一方、東京・神奈川・大阪・名古屋などの大都市は平均よりも通勤時間が長くなります。事実、大阪・京都などの関西圏は片道52分、東京は片道59分という調査結果が出ています。実際の通勤時間とは別に、理想の通勤時間を聞いたアンケートでは30分程度という回答が最も多く、実際とは大きな差が生じている事が分かります。大都市になればなるほど通勤時間が長くなり、東京では往復で約2時間もかかってしまうなど、多くの人がストレスを感じているようです。
世界の通勤事情
世界の通勤時間は、往復で平均1時間5分です。そのため、日本全体の通勤時間が特別長いわけではありません。しかし、東京などの大都市近郊では往復で約2時間もかかる事を考慮すると、大きな差があるのは確かです。なお、通勤時間が最も長い国は韓国です。片道で平均74分もかかっており、年間で25日以上の時間を通勤に費やしています。さらに、韓国は有給休暇の取得日数が年間10日程度なので、より多くの時間を通勤あるいは仕事のために拘束されているようです。このように比較すると日本はそれほどでもないように思えますが、それでも世界と比較した場合に通勤時間が長い事は変わりません。
男性と女性で比較
男性と女性を比較した場合、女性の方が通勤時間は短い傾向にあるようです。これは、女性は男性よりも非正規雇用者が多く、家事や育児のための時間を確保しなければならないためだと考えられます。家庭と仕事の両立のために、自宅から近い職場を選ぶ人が多いのでしょう。しかし、近年は女性の社会進出が活発になり、男性も家事を担うケースが一般的になりました。そのため、通勤時間の短縮はより重要な課題となっています。